Process for producing chemical pulp
专利摘要:
公开号:WO1992005309A1 申请号:PCT/JP1991/001234 申请日:1991-09-17 公开日:1992-04-02 发明作者:Akio Mita 申请人:Akio Mita; IPC主号:D21C3-00
专利说明:
[0001] 明 細 書 [0002] 化学パルプの製造方法 [0003] 技術分野 [0004] 本発明は地球の環境と資源を殆ど害ねずにセルロース原料か ら化学パルプを大量にかつ継続的に製造する方法に関わる。 背景技術 [0005] かってセルロース原料から化学的にパルプを得る目的で多く の方法が開発された。 しかしその多くは淘汰され現在まで化学 パルプの製造法と して実用化され、 かつ残っているのは A P法 (アルカリ法) 、 S P法 (亜硫酸法) 及び K P法 (クラフ ト法) とそれらの変法のみである。 [0006] A P法は蒸解薬液として水酸化ナトリウムの水溶液 ( 2成分) を用いる。 この方法は K P法のように悪臭物質を発生せず、 ま たパルプ廃液からの薬品回収も比較的容易である。 しかしパル プ化に際し脱リグニンが容易に進まないため、 得られるパルプ の強度は優れず、 カッパ一値 (パルプ中のリグニン含有量の指 標で、 ほぼリグニン (%) ==力ッパー値 X 0 . 1 5 の関係があ る) が著しく高く、 漂白に薬品を大量に使用することが必要と なる。 そのため木材のパルプ化には通常利用されず、 一部非木 材セルロース原料のパルプ化にのみ利用されている。 [0007] S P法は蒸解薬液として、 亜硫酸塩の酸性、 中性またはアル 力リ性溶液を用いる方法で、 特に酸性 S Pはリグニンの溶出能 力にすぐれているため、 未晒 S Pはカッパ一価が低く精製漂白 は容易であるが、 パルプの強度及び収率が劣る。 そのため針葉 樹ゃ一部の広葉樹から溶解用パルプの製造法としては優れた方 法として用いられているが、 そのパルプの需要は極めて少ない。 なお S P法は一般の広葉樹及び難蒸解性の針葉樹のパルプ化に 不適当であリ、 パルプ廃液の処理や薬品の回収等も容易でない ので、 今日では極一部で利用されるに過ぎない。 [0008] K P法は蒸解薬液として硫化ナト リ ゥムと水酸化ナトリ ウム の水溶液 ( 3成分) を用いる方法で、 多くの針葉樹と広葉樹の パルプ化が可能な方法である。 得られるパルプは強靱である。 力ッパー価が比較的低いにも拘らず漂白は容易でないが一般に 5 ~ 7段の漂白を行えば高白色度の晒バルブが得られる。 また パルプ廃液を濃縮して還元雰囲気で燃焼させ、 さらに苛性化す ることによリ硫化ナト リ ゥムと水酸化ナトリ ゥムも蒸解用薬液 として回収できるし、 燃焼エネルギーも回収出来る。 そのため 今日 K P法は著しく普及し、 日本では全パルプの 7 0 %以上、 化学パルプの 9 5 %以上が K P法で製造されるまでに至った。 [0009] しかし最近では地球の資源環境に対する保護や対策に対する 要望が一段と厳しくなったため、 K P法でも対応し難くなリ、 K P法に代リ得る新しいパルプの製造法が求められる。 すなわ ちセルロース資源を利用する点から見れば K P法は従来の他法 に比べ多くの針葉樹や広葉樹のパルプ化が可能であつたが、 多 くの熱帯材ゃ杉、 落葉松等の未利用材のパルプ化や漂白には向 かず、 また稲わら、 バガス、 麻屑やバナナの繊維等多くの未利 用非木材のパルプ化にも適していないなど限られた原料しか利 用出来なかった。 そのため紙パルプ工業に発展は地球を破壊す るものだとの批判も強かった。 また K P法ではパルプの蒸解の 際排気中に硫化水素、 メチルメルカブタン等硫黄を含む悪臭物 臭物質が副生し、 大気汚染問題を起して来た。 また未晒 K Pの 漂白には大量の塩素系漂白剤を必要として来たのでその際大量 の有機塩素化合物が発生し漂白排水に混入するため、 パルプェ 場は大きな環境汚染源と して指摘されて来た。 また K P法では 製品パルプの純度が高いだけに、 セルロース原料中に含まれる シリカ、 カルシウム、 マグネシウム、 鉄等の不純物の殆どは蒸 解工程で溶出してパルプ廃液中に混入するが、 これを分離除去 できる適切な技術を付属していなかった。 従ってパルプ廃液か ら薬品を回収し、 再生し 利用し続ける場合、 これら不純物の 蓄積が進みパルプ廃液処理そのものが不能となる。 しかして稲 わらや熱帯材の一部など灰分、 特にシリカ等の多いセル口一ス 原料の中には K P蒸解は可能でも廃液の処理が出来ず垂れ流し を余儀なく されるなど、 トータルシステムとして K P法は不備 な点が多かった。 しかして地球上に莫大量の未利用セルロース 資源がぁリ、 紙パルプの需要もありながらパルプ工業を発展さ せられないと言う状態にあった。 [0010] 新パルプ化法の研究には ( 1 ) 機械的にセルロース原料をデ イ スクリフアイナ一等で解繊するか、 軽度の化学処理との組合 わせによる処理でパルプを得る方法、 (2 ) セルロース原料中 の非繊維素を微生物又は酵素で分解してパルプを得る方法、 [0011] ( 3 ) 従来の化学パルプ化法の蒸解薬液中に少量の助剤を加え ることによリパルプの増収効果を求め方法の 3つが大きな流れ となっている。 [0012] ( 1 ) の機械的エネルギーを用いてパルプを得る方法は G P 法で代表され、 収率は大きいがエネルギー消費量も大きく、 得 られるパルプ中には著量のリグニンが残るため漂白に大量の漂 白剤を必要とするし、 未晒パルプのまま使用するには品質が優 れない。 そのため近年改良法として A P、 S P又は K P等の蒸 解薬液や過酸化水素のアル力リ溶液を用いてセルロース原料を 軽度の化学処理を施し、 機械処理と併用することによリパルプ を得るシスシムがパルプの製造法として多く取リ上げられてい る。 [0013] この方法では G Pに比べ良質のパルプが得られ、 化学パルプ に比べ収率は高いが、 まだかなリ大量の電力をパルプの製造の ため必要とし、 又漂白に大量の塩素系漂白剤を必要とするなど、 パルプの製造、 パルプの廃液処理等に解決しなければならない 問題を多く残している。 [0014] ( 2 ) の生化学的手段でセルロースを単離する方法は成功す れば大気圧下で常温またはそれに近い温度でパルプが得られる ものとして最近多くの研究がなされている。 しかし、 微生物や そ から取出した酵素を用い、 セルロースは分解させずに、 リ グニンのみを極めて短時間に分解除去する技術を探すことに大 きな問題を残している。 [0015] ( 3 ) は A Q (アントラキノン) 等の助剤を従来法の蒸解薬 液に加えることによりパルプ収率の向上を求める方法で、 今日 までに K P法、 S P法及び A P法で A Qを添加することによリ 収率が 0 . 5 %程度向上することが発表されているが、 それ以 上の収率向上を望むことは容易でなかった。 [0016] 本発明はパルプ工業の発展を阻害する資源問題及び環境問題 を解消するため、 木材、 非木材にかかわらず、 広くセルロース 原料から良質で白色度の高く、 易漂白性の良質パルプを高収率 で得るとともに、 廃液からのエネルギー及び薬品の回収を容易 に且つ継続的に行える方法及び総合システムを提供することを その課題とする。 [0017] 発明の開示 [0018] 本発明者は、 前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねて来た。 今回非木材としてバガス、 稲わら、 麦わら、 マニラ麻、 ミツマ タを、 木材として赤松、 杉、 モクマオゥ、 ギンネムをそれぞれ 代表的セルロース原料として選び、 アルカ リ金属、 特にナトリ ゥム又は及び力リ ゥムの水酸化物又は炭酸塩であるアル力リ過 酸化水素、 キレート剤、 アントラキノン類及び水の 5成分から なる蒸解薬液を用いて蒸解した。 [0019] しかし表 1に示すようにミツマタからは白色度 (ハンター) 5 2 . 7 %、 カ ッパ一価 2 0 . 1 のパルプを精選収率 6 6 . 5 %、 粕率 2 . 2 %、 全収率 6 8 . 7 %で得た。 さらに同表 1に 示すように各セルロース原料から従来のパルプ化法で得られた 報告に比べ高白色度で高品質のパルプを高収率で得ることに成 功した。 [0020] さらに発明者は研究を進めた結果、 従来セルロース原料中に シリ力等の不純物が著量含まれ、 パルプ製造原料として適性に 欠けるとされて来た稲わら等を力リ ゥムベースのアル力リ液で 処理してシリカを抽出し、 抽出残渣をアルカ リ 、 過酸化水素、 キノン類、 キレート剤及び水の 5成分からなる蒸解薬液で蒸解 することによリ良質のパルプを得た。 なおシリ力を抽出する前 に所望によリセルロース原料を酸処理することによリさらに白 色度のすぐれたパルプを得た。 [0021] また当該蒸解薬液中の過酸化水素は重金属イオンとの共存を 極めて嫌うが、 発明者はパルプ廃液を燃焼して得られる灰から 鉄等の重金属を事実上含まない蒸解用のアル力リ液の回収に成 功し、 パルプ廃液の垂れ流しによって起る環境問題からまぬが けることに成功した。 即ち、 すなわちパルプ廃液の濃縮液に酸 化鉄を加えて燃焼し、 得られる残灰を熱水で処理し、 少量の鉄 を含む力性アル力リ溶液を回収するとともに酸化鉄の大部分を 回収したが、 この力性アル力リ液中に 2価の鉄塩を加え空気を 吹き込み撹拌することによリ生ずる沈澱を分離除去することに よリ鉄を殆ど含まない力性アル力リ液を回収することに成功し た。 [0022] さらに本発明者はパルプ廃液の燃焼灰から得られるアル力リ 溶液を酸素と混合しつつ多孔性のグラファィ ト電極を通じるこ とによって過酸化水素を発生させ当該蒸解薬液用のアル力リ性 の過酸化水素を回収することに成功した。 [0023] 発明者はさらにカリ ゥムベースのアル力 リ液でシリカをセル ロース原料から抽出した液にアル力リ土類金属、 特にカルシゥ ム、 マグネシウムを加えて焼成し、 く洋性のカリ肥料を得るに 至った。 この際所望によリ リん酸の複合肥料を得るに至った。 さらに焼成の際加えるカルシウム、 マグネシウム及びシリカと して、 それらを含む廃棄物を用いることによリ、 固形廃棄物を ほとんどゼロとする トータルシステムを組むことも可能となつ た。 [0024] 発明の構成 [0025] 本発明の第 1段目の蒸解で用いるアル力 リ と しては水酸化ナ トリ ゥムに限らず水酸化力リ ゥム、 炭酸ナト リ ゥム、 炭酸力リ ゥム、 過酸化ナト リ ウム、 過酸化力リ ゥムなどのアル力リ金属 の水酸化物、 酸化物、 炭酸塩、 過酸化物及びアルカリ性塩があ る。 この中で特にアル力リ金属の水酸化物及ぴ過酸化物は蒸解 が速くなるので好ましい。 アルカ リ金属の炭酸塩を用いる場合 は蒸解は緩慢となるがみつまた (白皮) のような靭皮原料のパ ルプ化には表 1のみつまたに見られるように高品質のパルプを 高収率で与えるため好ましい。 本発明方法に用いられる過酸化 水素もしくは過炭酸等過酸化水素供与体とアル力リを水に溶解 させるとともに、 過酸化水素の安定剤として、 E D T A、 D T P A等のキレー ト剤及び AQ類と して AQ、 メチル AQ (M e 一 AQ) ェチル AQ (E t - AQ) 、 ターシャルブチル A Q [0026] ( t B u - AQ) 及ぴァミル AQ (Amy 1 - A Q) 等のうち 少なく とも一種を添加する。 この場合薬品使用量は絶乾セル口 一ス原料に対し、 アルカ リは N a 2 O換算 1 0〜 40 %、 好ま しく は 1 0〜 2 5 %である。 過酸化水素供与体は H 2 O 2換算 0. 5〜 1 2 %、 好ましくは 2〜 7 %である。 キレー ト剤の添加量 は 0. 1〜2%、 好ましくは0. 2〜 1 %である。 キノ ン類の 添加量は 0. 0 1〜0. 5%好ましく は 0. 0 3〜0. 3 %で ある。 [0027] なお、 前記過酸化水素供与体とは、 水中に溶解して過酸化水 素を生成する物質を意味し、 このようなものと したは過酸化ナ ト リ ウム、 過酸化カリ ウムのほ力 ペリオキソホウ酸ナト リ ウ ム等のペルォキソホウ酸塩、 過炭酸 (ペルォキソ炭酸ナト リ ウ ム) 又はペルォキソ炭酸力リ ゥム及びその加水分解によリ過酸 化水素を放出するペルォキソ化合物があげられる。 本明細書で 言う過酸化水素は、 このような過酸化水素供与体からのものも 含むものである。 [0028] 本発明で過酸化水素の安定剤と して用いるキレー ト剤と して は従来公知の種々のもの、 例えば EDTA、 DT P Aまたは各 種リ ン酸塩、 縮合リ ン酸塩がある。 また添加する AQ類と して は A Qのほかメチル、 ェチル、 ターシヤリブチル、 及びアミノレ AQ等アルキル AQがあるが、 そのうち、 ターシヤリブチル及 びァミノ A Qはみつまた (白皮) 等の靭皮のパルプ化において 特に顕著な収率向上の効果が表 1のみつまた Aに示すように示 される。 水は液比として 1 . 3〜 2 Ο β/ k g、 気相では 2〜 3 . 5 ノ k g、 液相では 4〜 1 0 fi/ k で存在することが蒸 解に好ましい結果を与える。 [0029] 本発明方法において、 蒸解処理は通常 1 3 0〜 2 0 0 °Cで行 われるが、 最適温度はセルロース原料が非木材であるか木材で ある力 また難蒸解性の木材であるかによって相違するし、 ァ ルカリの種類によっても相違する。 一般に非木材は木材にく ら ベ蒸解が溶易で 1 3 0〜 1 6 0 °Cでパルプ化を行う。 また一般 の木材は 1 6 0〜 1 8 0 °Cでパルプ化は容易に進行するが、 難 蒸解の木材では 1 8 0〜 2 0 0 °Cで蒸解することが好ましい。 なお、 蒸解時の圧力は蒸解温度によって副次的に約 3〜 1 0 k g Zcrfの範囲で決まり、 進行する。 最適の最高温度の保持時間 はセルロース原料の蒸解の難易によって決まる。 液相蒸解の場 合 3 0〜 6 0 0分の間、 気相蒸解の場合 1 0〜 1 2 0分の間で 行うが、 生産性を高く保っためには液相蒸解では 4 0〜 1 2 0 。C、 気相蒸解では 1 5〜 4 0分の間で行うことが好ましい。 前記のようにして得た蒸解物は、 好ましくは第 2段蒸解処理 に付し、 よリ低カッパー価で高い白色度のパルプにするのが良 レ、。 この 2段目の蒸解は、 過酸化水素のアルカリ溶液を用い、 2 0〜 1 1 0 °Cの温度で実施することができる。 この 2段目の 過酸化水素のアル力リ溶液による処理における水酸化アル力リ の使用量は N a 20換算 0 . 3〜6 %、 好ましくは 0 . 5〜2 %である。 この際少量のキレート剤及び A Qを添加することは パルプの収率及び品質の向上を計るうえで好ましい。 水は液比 として 0 . 5〜 5 0 β/ k g、 気相では:!〜 3 k g、 液相で は 5〜2 Ο β/ k gが好ましい。 処理温度は 2 0〜 1 1 0 ° (:、 特に 7 0〜 9 0 °Cであれば耐圧装置を必要とせず、 かつ処理を 迅速に行うことが出来るので望ましい。 処理時間は 1 0〜 1 5 0分、 好ましくは気相では 1 5〜 4 0分、 液相では 3 0〜 9 0 分である。 表 2はセルロース原料と して、 アバ力、 バガス及び 杉を選ぴ、 表 1 の条件で処理後、 表 2の 2段処理を行った。 す なわち、 過酸化水素濃度 3及び 5 %、 水酸化ナ ト リ ウムを N a 20として 1 %使用し、 温度 9 0 °Cで 1時間処理した例を示す。 カッパ一価は 3 6 . 2から 1 5 . 2まで低下し、 白色度は 3 0 . 1から 4 8 . 2まで上昇したが、 パルプ収率は低下が小さく、 9 6 . 4 %を維持した。 [0030] なお前記の第 1段及び第 2段の蒸解処理において副生物とし てパルス廃液が得られるが、 このパルプ廃液は所望によリ濃縮 し、 さらに燃焼すればアルカ リ炭酸塩として回収しうるし、 炭 酸アル力リは常法によリ生石灰で力性化すればアル力リは水酸 化物として回収しうる。 また鉄酸ソーダ法を応用しパルプ廃液 に酸化鉄を加えて強熱し、 得られる熱酸のアル力リ塩を加水分 解すればアル力リの水酸化物と酸化鉄を容易に回収しうるので 図 1及び図 2に示すようなクローズドシステムが組めるのでパ ルプ廃液をまつたく外に出すことなくパルプを容易に生産する ことが可能となる。 [0031] セルロース原料を力リ ゥムベースのアル力 リ溶液で抽出し、 抽出液はく溶性肥料の製造に供し、 抽出残渣はパルプの製造に 供する場合、 通常のセルロース原料 (灰分 0. 1〜 0. 3 %、 シリ カ 0. 0 1〜0. 1 %) に比べ灰分、 特にシリ カの含有量 が異常に大きいため従来クローズドシステムによるパルプの製 造に適さないとされて来たアバカゃジユー ト等の麻等類、 稲わ ら、 麦わら、 竹等のイネ科植物や熱帯材とその他の木材でも本 発明に対象となリ得る。 [0032] 本発明においては、 前記の如き灰分の多いセルロース材料 (以下単にセルロース材料とも言う) に対し、 先ず、 カリ ウム ベースアルカリ水溶液を抽出剤として用いて抽出処理を施し、 セルロース材料に含まれるシリ力を抽出液に移行させる。 抽出 剤中のカリ ウロム濃度は、 K20換算で、 0. 0 3 ~ 0. 7モ ル Zfi、 好ましくは 0. 1〜0. 4モル/ βである。 この抽出剤 は、 場合によっては、 水酸化ナトリ ウム等の水溶性ナト リ ウム 化合物を少量含有することもできる。 抽出剤原料としてのカ リ ゥム化合物としては、 各種の力リ ゥム化合物が使用可能である 力 抽出処理後のケィ素を含む抽出残液を用いてく溶性力リ肥 料を得る点からは、 酸素、 水素及び炭素以外の元素 (例えばィ ォゥゃ塩素等) を含まないものが好ましい。 このようなものと しては、 例えば、 水酸化カリ ウム、 炭酸カルシウム、 炭酸水素 カ リ ウムの他、 廃糖蜜やカリ ウムベースのパル廃液を燃焼して 得られる炭酸カリ ウムを主成分とする灰の水浸出液や、 力リ ウ ムベースのアル力リ水溶液を用いるパルプの漂白及び精製排水 等が挙げられる。 抽出処理温度は 0〜 1 2 0 °C、 好ましくは 2 0〜 5 0 °Cである。 抽出処理時間は、 セルロース原料の種類や 形態、 抽出処理温度等で異なるが、 一般的には 0 . 2〜 1 0時 間、 好ましくは 0 . 5〜 3時間程度である。 この抽出処理は、 向流で多段階的に行うのが好ましく、 この場合には、 抽出剤は 少量ですむという利点がある他、 抽出処理後に得られる抽出残 液も少量で、 そのシリカ含有は高濃度で、 非常に処理しやすい という利点がある。 従って、 抽出処理装置としては、 多段向流 抽出装置が好適である。 抽出処理においては、 セルロース材料 中のゲイ素分は S i 0 2換算で、 1 . 5重量%以下、 好ましく は 0 . 5〜 0 . 0 5重量。 /0まで低減させるのがよい。 [0033] 本発明によりセルロース原料の抽出処理を行う場合、 セル口 ース原料は、 あらかじめ、 破砕処理や、 磨砕処理等の機械的処 理を施すのが好ましく、 これにより抽出剤が 透しゃすくなリ、 また抽出剤との接触効果もよくなる。 また、 セルロース原料は、 これをあらかじめ酸性水溶液を用いて酸処理して重金属 (F e , C u , M n等) を溶出除去するのが好ましい。 この重金属の除 去にょリ、 白色度の向上したパルプを得ることができる上、 蒸 解液中に過酸化水素が含まれている場合にはその過酸化水素を 安定化させる。 この酸処理に用いる酸性溶液としては、 酢酸や. シユウ酸、 乳酸等の有機酸を含むものが好適でぁリ、 その酸濃 度は、 0 . 0 3〜 1 モル Zfi、 好ましくは 0 . :! 〜 0 . 3モル Zfi (使用量と して 0 . 2〜 1 0 %好ましくは0 . 5〜 3 % ) である。 この酸処理を行う場合、 その装置と しては、 多段向流 処理装置が好適である。 [0034] 前記抽出処理後セルロース材料は蒸解工程へ送られ、 またケ ィ素分を含む抽出残液はく溶性力リ肥料製造工程へ送られる。 ケィ素分を含む抽出残液を用いてく溶性カ リ肥料を製造する には、 その抽出残液にアルカ リ土類金属含有物を混合し、 焼成 し、 ガラス様溶融物を得る。 この場合、 アルカリ土類金属とし ては、 カルシウムやマグネシウムが好適である。 アルカ リ土類 金属含有物としては、 炭酸カルシウム、 酸化カルシウム、 炭酸 カルシウム、 酸化マグネシウム、 炭酸マグネシウム、 石灰石、 白雲母、 蛇紋岩、 焼成リン肥、 リン酸アンモニゥム · マグネシ ゥム、 リン酸カルシウム、 リン酸鉱石等が使用できるが、 本発 明では、 アルカ リ土類金属含有廃棄物の使用が有利である。 こ のようなものとしては、 例えば、 製糖工場や、 製紙工場で排出 される石灰スラッジゃ、 マグネシゥムスラッジ等が挙げられる。 石灰スラッジは、 大量の水と有機物と石灰を含有するものであ る。 マグネシウムスラッジは、 パルプ排水を海水と生石灰で処 理する工程 (シーライム法) において副生し、 マグネシウム、 カルシウム、 ナトリウム、 有機物の他、 大量の水を含むもので ある。 また、 カリ肥料を製造する際のケィ素分を補給するため に、 抽出残液には、 ケィ素含有物、 例えば、 ケィ砂や、 ガラス 屑、 フライアッシュ、 高炉水滓、 カリ石英粗面岩等を必要に応 じ添加することができる。 さらに、 必要に応じ、 リン含有物を 添加することもでき、 これによリ、 リンを含むく溶性の複合力 リ肥料を得ることができる。 リン含有物としては、 リン鉱石や、 焼成リ ン肥、 リ ン酸カルシウム、 リ ン酸アンモニゥム · マグネ シゥム等を用いることができる。 これらのリ ン含有物はカルシ ゥム含有物として用いることもできる。 [0035] 本発明において、 前記したアルカ リ土類金属含有物、 リ ン含 有物及びケィ素含有物は、 それぞれ別個のものである必要はな く、 当然のことながら、 それの 2成分を同時に含むものや、 そ れら 3成分を同時に含むものを用いることができる。 [0036] 本発明において、 抽出処理後のケィ素含有抽出残液にふつ素 を含むリン鉱石を加える場合、 その抽出液中には力リゥムが存 在するため、 リン鉱石のァパタイ ト構造が破壌されて不溶性の リン酸がく溶性化されるとともに、 その際に発生するふつ素は ふつ化力リゥムとなってその飛散が防止されるという利点があ る。 また、 前記アルカ リ土類金属含有物や、 ケィ素含有物、 リ ン含有物には、 鉄や、 ナトリ ウム、 ホウ素等の夾雑物を含有す ることができ、 これらの夾雑物は、 植物に対する微量肥料要素 として作用する他、 後続の焼成工程において、 融点降下剤とし ても作用する。 [0037] 本発明において、 ケィ素含有抽出残液は、 これにアルカリ土 類金属含有物を加える前に、 あらかじめ濃縮処理を施し、 その 水分含量を、 3 0〜 7 0重量。/。、 好ましくは 4 0〜 6 0重量% に調節するのがよい。 この濃縮処理においては、 チャンネルス ィツチング機構を有する多重効用缶や、 サイクロンエバポレー タ、 液中燃焼式エバポレータ、 ディスクエバポレータ、 ロータ リ一キルン等の装置を単独又は組合せて用いることができる。 また、 ケィ素含有抽出残液は、 これを濃縮乾固し、 焼成して、 カリ ウム及びシリ カを含む固体物質 (アッシュ) と してカ リ肥 料原料として用いることもできる。 [0038] 前記ゲイ素、 カ リ ウム及びアルカ リ土類金属を含有する混合 物の高温焼成温度としては、 その混合物の成分割合によつて大 きく異なるが、 一般的には、 5 0 0〜 1 4 0 0 °Cの焼成温度及 び 0 . 2〜 5時間の焼成時間が用いられる。 カリ ウム及ぴアル 力リ土類金属の含有量が多'ナれば生成するガラス様溶融物の融 点が著しく降下するので、 この場合には 5 0 0〜 1 1 0 0 °Cの 焼成温度が採用される。 また、 ケィ素の含有量が多い場合には、 8 0 0〜1 4 0 0 °Cという髙ぃ焼成温度が採用される。 高温焼 成装置としたは、 反射炉、 電気炉、 ロータリーキルン、 スメル ターボイラー等が用いられる。 焼成に得られる溶融物が融点の 低いものである場合には、 スメルタ一ボイラーの使用が好まし レ、。 この場合には、 連続的に溶融物を取出し、 これを連続的に 水槽に落下させて、 溶融物を急冷させ、 細かいひびの入った破 片状で溶融物を収得することができる。 また、 このスメルタ一 ボイラーでは、 廃熱スチームと して回収することができるとい う利点がある。 [0039] 本発明にょリ得られるガラス様溶融物は、 K 2 O · X MO - y S i O 2の組成を主体とするもので、 その他、 鉄や、 アルミ ニゥム等の成分を少量含むものである。 前記式中、 Mは C aや M g等のアルカ リ土類金属を示す。 Xは 0. 3〜4. 0、 好ま しくは 0. 5〜 2. 0の数を示す。 yは 1. 0〜 3. 5、 好ま しくは 1. 5〜 3. 0の数を示す。 本発明の溶融物において、 その好ましい成分組成例を重量%で示すと、 K2O : 4〜4 0 %、 好ましくは 8〜 2 5 %、 C a Ο : 3〜 3 0 %、 好ましくは 6〜 : L 8 %、 M g O : 0〜 3 0 %、 好ましくは 6〜 1 8 %、 S i 02 : 1 0〜 1 5 %、 好ましくは 20〜6 0 %である。 その 他、 F e 203は 0〜 1 5 %、 好ましくは 1〜 5 %である。 A 1 203は少ない.程好ましく、 3 0 %以下、 好ましくは 1 0 %以下 に規定するのがよい。 また、 所望成分であるリ ン成分は、 P2 O 5として、 4〜 4 0 %、 好ましくは 8〜 2 5 %である。 [0040] 本発明において、 抽出処理工程から得られるセルロース材料 は、 カリ ゥムベースアル力リ性蒸解液によって蒸解処理される が、 本発明の場合、 このセルロース材料は、 カリ ウムベースァ ルカリ性水溶液による抽出処理を受けていることから、 広範の 木材及ぴ非木材セルロース原料が容易にパルプ化しうる。 [0041] またアルカリ性水溶液による抽出処理を受けたセルロース原 料は p H 9. 0〜 1 3. 0、 好ましくは ρ Η Ι Ο . 0〜 : 1 1. 5のアル力リ性に保ちながら乾燥すれば微生物による腐敗が防 げ、 パルプ原料と して長期の保存が可能となる。 [0042] 前述のようにパルプ廃液からアル力リの回収は容易であるが 更にアル力リ液は酸素を吹きつつ電解することによリ過酸化水 素に還元されアルキリ性の過酸化水素溶液が回収しうる。 酸素 は空気中に約 2 0 %含有するが、 窒素を分離除去すれば濃度が 上がリ、 容積を 1 Z 5に近付けられるので酸素濃度の高いもの が望ましい。 アルカ リはナト リ ウム又はカリ ゥムの炭酸塩又は 水酸化物でその濃度は 0 . 0 3〜 0 . 7モル Ζβ特に 0 . 1〜 0 . 4モル Zfiであるとパルプの蒸解及び漂白薬液の回収及び 再生のうえから望ましい。 また電極は多孔質で通気性、 気体吸 着性で、 例えば多孔質通気性の黒鉛製のものや、 白金又はパラ ジゥム製のものが推奨される。 常法によリ酸素とアル力リ液を 通じて運転され過酸化水素が 0 . 0 2〜 0 . 2モル Zfiで得る ことによつて蒸解及び漂白用のアル力リ性過酸化水素溶液を回 収し得る。 [0043] なお過酸化水素は重金属特に鉄との共存にしかしセルロース 原料中の重金属を酸で抽出してパルプを蒸解することは可能で あるが、 パルプ廃液を蒸解缶で濃縮し、 更に炉で燃焼するなら ば、 装置からの重金属のアルカ リ液への混入は免れない。 特に 鉄酸ソ一ダ法でアルカ リを回収するときは鉄 (3価の鉄) の分 離を完全に行うことは困難で多いときはアル力リ溶液中に 5 0 P P m以上の鉄が検出されることがある。 本発明では可溶性の 2価の鉄塩を電解処理前のアル力リ溶液 に加え酸素 (空気) を吹き込むことによリ含有する鉄の殆どを 沈降除去し得ることまた共存する重金属も随伴して沈降として 除去し得ることは前述の通リである。 加える 2価鉄塩としては 無機塩としては硫酸塩、 塩化物等が挙げられ、 また有機酸塩と しては酢酸塩、 乳酸塩、 ギ酸塩等が挙げられる特に有機酸塩は 蒸解薬液として使用後燃焼されて炭酸ガスと水に分解し系外に 出るため蓄積はまったく無いのでその使用は好ましい。 使用量 はアルカリ液に対して F e Oとして 0. 0 0 1〜0. 0 2モル Zfi好ましくは 0. 00 2〜0. 0 1モル £で、 液温は 0〜 1 0 0で好ましくは 3 0〜 6 0^で通気して反応を行う。 液中で 鉄塩は F e (OH) 2となって緑色の沈澱を生じさらに酸化さ れて F e (OH) aとなリ、 この両者は次式のようの不溶性の 酸化鉄 (m) 鉄 (Π) の [0044] F e (OH) 22 F e (OH) 3→F e 304+ 4 H20 磁鉄鉱となるため、 沈澱の分離は重力によるにも磁力によるに も容易に行える。 この際多くの重金属 オンも共沈するので除 去が同時に行える。 [0045] なお、 この反応に先立って行う硫化物による重金属の沈降除 去は、 硫化物として、 硫化水素、 硫化ナトリ ゥム及ぴ硫化力リ ゥム等が使用可能で添加量はアル力リ溶液に対して 1〜3 0ミ リモル で好ましくは 5〜20ミ リモル Zfiである。 反応温度 は 0〜 1 00で、 好ましくは 20〜 6 0°Cである。 この反応に よリ銅等の沈澱は定量的に除去が可能である。 この硫化物によ る処理によリ系内に持込まれる過剰な硫黄は、 この処理後に鉄 塩の添加によって硫化鉄として除去でき、 過剰な鉄は空気酸化 によって殆ど定量的に分離除去できることは既に述べた通リで ある。 [0046] 本発明の適用範囲は極めて広く、 実施は容易でぁリ、 その効 果は著しいものである。 すなわち、 従来 A P法、 S P法及び K P法で蒸解可能であった針葉樹、 広葉樹はもとょリ、 蒸解、 漂 白が困難であった熱帯材等末利材ゃ不純物が多い非木材のセル ロース原料でもパルプ化が可能となった。 例えば本発明によれ ば、 稲わら、 麦わら等のわら類、 バガス、 竹類、 アバ力、 ジュ ート、 サイザル麻等の麻類、 こうぞ、 みつまた等の靭皮に至る まで蒸解が可能であリ、 力ッパー価の低い良品質のパルプが高 収率で得られるようになった。 なお従来 K P法でも蒸解が容易 でなく、 低白色度、 高カッパ一価かつ難漂白のパルプしか得ら れなかった杉のような難蒸解材からでも一段漂白が可能な低力 ッパ一価のパルプが表 1のように得られるようになった。 さら に 2段蒸解処理を行うことによリ表 2に示すように、 よリ低力 ッパー価で高い白色度の未晒パルプが得られた。 [0047] このよ うにして得られた未晒パルプの漂白は容易で、 塩素系 漂白剤の使用量の 5 0 %以上の節約が可能となった。 [0048] さらに 2段蒸解処理することにょリ表 2に示すようによリ低 力ッパー価で、 よリ高白色度の未晒パルプが得られるようにな つた。 [0049] なお 2段階処理の廃液をパルプから分離回収し、 所望によリ セルロース原料の抽出剤とに供したリ、 また、 薬品を補充して 第 1段の蒸解薬液として用いることは、 残存薬品と水の節約、 廃熱の利用が可能で、 かつ廃液の総量を減らし、 濃度の上昇が 望めるのでパルプ廃液を濃縮燃焼して薬品エネルギーを回収す る際の経済性の向上に役立ち、 かつクローズドシステムの強化 による低公害化を強力に推進するのに役立つ。 [0050] このよ うにして副生するパルプ廃液からの薬品とエネルギー の回収は同廃液のリグニン及び有機酸等の有機物に富み、 アル 力リ分を含むので燃焼すれば大量の熱を発生してアル力リ金属 の炭酸塩を主成分とする灰として回収することが可能である。 また所望によリ苛性化してアル力リ金属の水酸般物とすること も可能であリ、 これらと酸素と電力で過酸化水素のアル力リ溶 液の調製も出来るので薬品回収は容易である。 また廃液中に硫 黄を含まないので、 鉄酸ソーダ法と組めば石灰キルンなしでァ ルカリ金属の水酸化物を得ることも可能であリ、 高圧の廃熱回 収ボイラーを組込めば電力の大量収得が可能となる。 [0051] 燃焼排ガス中に硫黄含有ガスを含まないため廃熱回収を徹底 して行える。 この際悪臭物質がないため炭酸ガス含有煙道ガス はクロ レラ、 スピリルな及び補設園芸の培養及び栽培に用いる ことが可能なことは本発明の実施をさらに有利にするものであ る。 本発明によれば、 灰分特にシリ カ含有量の大きい熱帯材、 麻 類及ぴイネ科植物等のセルロース料からパルプを収率よく得る ことができる上、 副生物としてく溶性の力リ肥料を得ることが でき、 本発明の方法は、 全体として、 公害性のないかつ経済性 にすぐれたパルプと力リ肥料の併産プロセスと言うことができ る。 特に、 本発明で副生物としてケィ素含有抽出残液は、 高温 焼成して肥料化出来ることから、 その抽出残液中に含まれる有 機物は分解除去され、 抽出残液から有機物を分離除去するため の特別の処理は必要とされない。 [0052] さらに、 本発明では、 副生物としてく溶性のカリ肥料及び力 リ と リん酸の複合肥料を得る場合に、 アルカ リ土類金属や、 ケ ィ素を含有する各種の産業廃棄物ゃリん鉱石を使用し得るので、 本発明法はそれら廃棄物の有効利用法と しても極めて有用な方 法でぁリ、 その産業的意義は多大である。 [0053] 実施例 [0054] 次に実施例によリ本発明を更に詳細に説明する。 [0055] 実施例 1 [0056] マバカ (マニラ麻、 絶乾量として) 1 00 gをオートク レー ブに入れ表 1に示すように液比 TJilZk gになるように蒸解薬 液 〔水酸化ナトリ ウム (N a 20として 1 50 g) 、 過酸化水 素 70 g、 キレー ト剤と し 1—ヒ ドロキシェタン一 1— 1ジホ スホン酸 10 g、 ターシャ リ ブチルアン トラキノ ン 2 g及び残 リ水〕 を加えて 140°Cで 1時間蒸解を行った。 蒸解物はフラ ッ トスク リーンで未蒸解部分を粕として分離するとともに単繊 維部分を精選パルプとして収得した。 得られた精選パルプは白 色度 (以下ハンター表示) 6 9. 4 %でカッパ一価 8. 5を示 し、 その品質は強度も木材パルプよリはるかに大きく良質であ つた。 なお収率は精選パルプ収質 6 9. 8 %、 粕率 1. 2 %、 全収率 7 1. 0 %であった。 なお精選パルプは液比 1 OfiZ k gで対未晒パルプ薬品使用量 (水酸化ナト リ ウム、 N a 20と して 1 %過酸化水素 5 %、 キレート剤 0. 3 %) で 9 0° ( 、 1 時間処理し白色度 8 2. 8 %、 カッパ一価 7. 2の高白色度高 品質のパルプが対前段 9 6. 1 %の収率で得られた。 [0057] 比較例 1 [0058] 実施例 1 との比較のため、 同一ロッ トのアバ力を用い表 1の 実験アバ力の水酸化ナトリ ゥムの水溶液によリ 1 5 0°Cで 1時 間蒸解 (AP蒸解) し、 白色度 3 8. 5 %、 カッパ一価 9. 8 の未晒パルプを精選収率 6 0. 2%、 粕率 4. 2 %、 全収率 6 4. 4 %で得た。 [0059] 実施例 2 [0060] みつまた (白皮、 絶乾量として) 1 00 0 gをオートク レー ブに入れ表 1のみつまた Aに示すように液比 1 gにな るように蒸解薬液 〔炭酸ナトリ ウム (N a 20として 1 00 g) 、 過酸化水素 3 0 g、 EDTA 1 0 g、 ターシャ リブチル A Q 3 g及び残リ水〕 を加えて 1 50°Cで 2時間蒸解を行った。 蒸解物はフラッ トスク リーンで未蒸解部分を粕として分離する とともに単繊維部分を精選パルプと して収得した。 得られた精 選パルプは白色度 52. 7%でカッパ一価 20. 1を示し、 そ の品質は強度も木材パルプよリはるかに大きく良質であった。 なお収質は精選パルプ収率は 6 6. 5%、 粕率 2. 2%、 全収 率 6 8. 7 %であった。 [0061] 比較例 2 [0062] 実施例 2との比較のため、 同一口ッ トのみつまた白皮を用い 表 1の実験みつまた Bの炭酸ナトリ ウムと水の 2成分からなる A P蒸解を行いカッパ一価 20. 5、 白色度 47. 1 %のパル プを精選収率 22. 9%、 全収率 56. 0%で得た。 このよう に従来の A P法に比べ本発明によるパルプは白色度は約 5 %高 く、 カッパ一価は同等でぁリながら、 収率は精選パルプ収率で 約 40 %、 全収率で 1 0 %も高いことが明らかにされた。 [0063] なお表 1のみつまた Bは本発明によるパルプ化で A Q類と し て AQを用いた蒸解例であるが、 表 1のみつまた Cはターシャ リプチル A Qを用いた場合はパルプの白色度と精選パルプ収率 の向上の効果が大きいことを示す。 [0064] 実施例 3 [0065] バガス (絶乾量で) 1 000 gをォートクレーブに入れ、 表 1に示すように液比 1 OfiZk gになるように蒸解薬液 〔水酸 化ナトリ ウム (N a20として) 1 50 g、 過酸化水素 30 g、 AQ 3 g、 DTPA3 g、 残リ水〕 を加えて最高温度 1 60 °C を 1時間保持した。 蒸解物はフラッ トスクーンで未蒸解分を粕 として分離するとともに単繊維分を精選パルプとして収得した。 得られた精選パルプは白色度 5 6. 2 %、 カッパ一価 1 0. 5 の良質のパルプであった。 なお精選パルプ収率は 4 3. 6 %、 粕率は 7. 5 %、 全収率は 5 1. 1 %であった。 [0066] 比較例 3 [0067] 実施例 1 との比較のため、 同一ロッ トのバガスを用い、 AP 蒸解を行いカッパ価 1 0. 6、 白色度 4 5. 3 %のパルプを精 選収率 3 0。 3 %で得た。 [0068] 実施例 4 [0069] 杉 (チップ絶乾量として) 1 00 0 gをオートク レープに入 れ表 1の杉に示すように液比 5A/k gになるよう蒸解薬液 〔 水酸化ナトリウム (N a 20として) 200 g、 過酸化水素 5 0 g、 EDTA 3 g、 AQ l g及ぴ残リ水〕 を加えて最高温度 1 8 0 °Cで 6 0分蒸解した。 蒸解物はフラ ッ トスク リーンで未 蒸解部分を分離するとともに単繊維部分を精選パルプと して収 得した。 [0070] 得られた精選パルプは白色度 3 0. 1 %で力ッパー価は 43. 4であリ、 品質の優れたパルプであった。 なお同パルプの精選 収率は 4 2. 5 %、 全収率は 4 3. 5 %であった。 [0071] 比較例 4 [0072] 実施例 4との比較のため、 同一ロ ッ トの杉チップを用い、 実 験杉 Aの A P蒸解を行ったが、 蒸解は容易でなく得られたもの の殆どは粕であった。 すなわち精選パルプ収率 3 1. 0 %、 粕 率 2 1. 3 %、 全収率 5 2. 3で、 得られたパルプはカ ッパ一 価が 1 2 0と異状に高く、 白色度は 2 0 · 5 %と極めて低かつ た。 [0073] 実施例 4 [0074] 表 2はアバ力、 バガスおよび杉のチップのパルプ化において 本発明の 2段蒸解処理の例を示したものである。 アバ力、 パガ ス及び杉チップの第 1段の処理は表 1の条件で行った。 第 2段 の処理は液比 1 0P,Z k gで、 過酸化水素使用量は 3〜 5 %、 9 0。C、 1時間の処理を行った。 水酸化ナト リ ウムの使用量は N a 2〇として各 1 %であった。 [0075] パルプの白色度をアバガで 8 2. 8 %まで昇上させ得ること · カッパ一価を 6. 2まで低下させ得ること、 この間パルプの減 量は少なく上の収率を得ることを認めた。 [0076] 本発明で杉から得た 1段蒸解パルプと 2段蒸解処理で得たパ ルプを次亜塩素酸十ト リ ゥムで 1段漂白を行った。 漂白条件は いずれも 5 0°C、 1時間でぁリ、 そして 1段蒸解で得たパルプ は漂白は容易で、 有効塩素を 1〜 2 0 %用いることによリ白色 度は 7 7. 6 %まで達した。 2段蒸解処理した得たパルプは更 に漂白は容易になリ、 有効塩素を前者の 1 Z 2に減らし、 1〜 1 0 %用いたが、 1段漂白で白色度は 7 8. 6 %に達すること を確めた。 [0077] さらにバガスのパルプは漂白性がよく表 2の如く、 5 0 °C 1 時間処理したが、 有効塩素を 2 %用いることにより 白色度は 7 8. 3 %に、 また 3 %用いることによ リ 白色度は 8 0 %に到達 し、 本発明によリパルプ化が塩素の節約に役立つことを示した。 実施例 6 [0078] 大麦わら (シリ カ含有量 4. 3 %) を圧扁し、 その 5 0 0 g (絶乾量) を濃度 20 gノ βの水酸化力 リ ゥム水溶液 1 Ofiを用 レ、、 5 0 °Cで 5時間抽出処理したのち十分水洗し、 シリ カの 8 5 %以上を抽出除去した。 次に、 抽出残渣 (大麦わらの抽出処 理物) を、 液比 1 OfiZk g、 水酸化力 リ ウム使用量 K20と し て 1 5 %、 温度 1 6 0 °Cの条件で 1時間蒸解処理し、 未晒パル プ (ハンター白色度 3 5. 4 %、 カッパ一価 7. 6 ) を 44. 1 %の収率で得た。 [0079] 副生したパルプ廃液は常法によリ濃縮及び燃焼し、 得られた 灰を水で浸出し、 炭酸カリ ウムを主成分とする浸出液を得た。 この浸出液に生石灰を投じ、 加熱して力性化を行い、 蒸解薬液 用の水酸化力リ ゥム水溶液を K20と して 5 0 g/βの濃度で回 収した。 同液はカーボン電極を用いアル力 リ液と酸素を通じ過 酸化水素 2 0 g/fi濃度のアル力 リ液を回収した。 [0080] 実施例 7 [0081] 水稲わら (シリ カ含有量 1 5. 1 %) を実施例 1 と同様に圧 扁し、 その 5 00 g (絶乾量) について抽出処理を行つた。 抽 出処理用のアル力リ性溶液と して、 未晒パルプの K一ベースに よる P a段の漂白 (過酸化水素のアルカル溶液による漂白) 廃 液に水酸化カリ ウムを添加し、 全1^20と して 2 5. O g/β濃 度と したものを用した。 抽出は多段 ( 1 0段、 各段は 1 2β容) 向流抽出装置を用い、 液比 6 fiZ k gになるよう、 かつ連続向 流式に 3 0°Cのアル力リ溶液を注加し、 シリ カの 9 5 %以上を 抽出除去した。 抽出液はく溶性肥料の製造に供した。 [0082] 次に、 抽出残渣 (水稲わらの抽出処理物) を、 水酸化ナト リ ゥムとテトラヒ ドロアントラキノンを含有するアル力リ水溶液 (K20と しての使用量 1 5 %、 テ トラヒ ドロアン トラキノン 使用量 0. 0 5 %) を用い、 液比 7fi/ k g、 温度 1 6 5での 条件で 1時間蒸解処理し、 未晒パルプ (ハンター白色度 3 0. 5 %、 カッパ一価 6. 5 ) を 4 2. 2 %の収率で得た。 副生 したパルプ廃液は実施例 1 と同様に処理し、 蒸解薬液用の水酸 力リ ゥムを回収した。 [0083] 実施例 8 [0084] バガス (シリ力含有量 0. 9 %) 5 0 0 g (絶乾量) を、 濃 度 1 0 g Zfiの乳酸溶液で酸処理 ( 3 0°C、 1 2時間) 後水洗 した。 次に、 この酸処理物を、 水酸化カリ ウムの水溶液 (K2 Οと して 2 0. 4 g /β) 1 Ofiを用い、 3 0°Cで 3時間抽出処 理した後、 水洗し、 シリ カの 8 0 %以上を抽出除去した。 [0085] 次に、 抽出残渣を、 抽出残渣 (乾燥物基準) に対し、 KOH を 20として 2 7. 3 %、 H20を 3 %、 t ーブチルーアント ラキノン 0. 1 %、 キレー ト剤として 1ーヒ ドロキシェタン一 1, 1 ' ージホスフォン酸を 0. 3 %を含有する蒸解液を用い、 6 5 °Cで 1時間蒸解処理し、 未晒パルプ (ハンター白色度 6 2. 1 %、 カッパ一価 4. 9) を 5 1. 2 %の収率で得た。 [0086] 副生するパルプ廃液は鉄酸ソーダ法に従って処理し、 蒸解用 薬液として水酸化力リ ウムを、 K20として 4 5 gZfi濃度の液 として直接回収した。 同溶液には鉄を F e 203として 8 0m g Ζβ含有していたが硫酸鉄を F e Οとして 2 0 0 m g β加え空 気を通じ鉄を黒色沈澱と して分離除去し F e 203として 3 m g のアル力リ液を回収し過酸化水素のアル力リ溶液の原料と に供した。 [0087] 実施例 9 [0088] 実施例 2で得た水稲わらの抽出残液 (固形分: 8 9. 2 g/ β、 K20 : 24. 8 g Zi S i 02 : 2 2. 3 g / Ά) 1 00 mfiに、 パルプ廃液から薬液回収 (力性化) 工程において発生す るスラッジのモデルとして炭酸カルシウムとシリカの混合物 (C a C03 ' C a Oとして 4 7. 6 %、 S i O2 : 1 5. 0 %) 5. 0 g、 パルプ工場の排水のシーライム法処理で発生するマ グネシゥムスラッジ (水分: 7 7. 8 %、 N a 2 O : 1. 2 %、 C a O : 1. 3 %、 M g O : 1. 3 %) 1 0 g、 石炭火力発電 所で発生する灰 ( S i 02 : 54. 1 %、 C a O : 3. 2 %、 Afi203 : 1 8. 5 %) 5 gを混合し、 一且 4 5 0 °Cで完全に 灰化後 1, 20 0°Cで 2時間強熱し溶融した。 得られたガラス 様溶融物を急冷粉砕し、 く溶性のカリ肥料 (全 K20 : 1 9. 4 %、 C a Ο : 1 9. 8 %、 M g O : 1. 4 %、 S i 02 : 4 2. 1 %、 Αβ2 O 3 : 6. 9 %、 F e 2 Ο 3 : 1. 2 %) を 1 3. 5 g得た。 [0089] 実施例 1 0 [0090] 実施例 3の水稲抽出残液 (固形分 : 8 9. 6 g/fi, K20 : [0091] 24. 8 g /β、 S i Ο 2 : 2 2. 3 g / 9.) 1 0 0 m 1 に、 り ん鉱石粉末 (C a O : 4 8 · 2 %、 P 205 : 3 6. 1 %、 F : [0092] 3. 1 %) を 1 0. 0 g、 ガラス屑粉末 (N a 20 : 1 6. 2 %、 C a O : 9. 0 %、 S i O 2 : 7 2. 5 %) を 5. 0 g力!] えて混合乾燥後、 1, 0 5 0 °Cで 1時間強熱し、 炭酸を含む黒 色のガラス様溶融物を得、 これを水で急冷破砕後さらに粉砕し、 く溶性のリン酸及び加里の複合肥料 (全 K20 : 1 8. 5 %、 全 K20 : 1 2. 7 %、 N a 20 : 4. 1 %、 C a O : 2 7. 0 %、 S i O 2 : 3 2. 6 %, F : 1. 5 %) を 1 9. 5 g得た。 [0093] 表 1 5成分の蒸解薬液による 1段蒸解とその結果 [0094] [0095] HEDP:卜ヒ ドロキシェタン- 1,卜ジホスホン酸、 THAQ:テトラヒ ドロアントラキキノン、 tBuAQ:ターシルバフル アン トラキノン [0096] 表 2 [0097] JNdUrl、1、α 2リノ Π2リ 21 *. Π 率 、ノノ、 白色度 使用量 % % (ハンター)% アバ力 0 0 100 8.5 69.8 パルプ A 1 5 96.1 7.2 82.8 バガス 0 0 100 10.5 56.2 パルプ A 1 3 95.2 6.2 71.1 [0098] 0 0 100 36.2 30.1 杉パルプ A [0099] 1 3 96.4 15.2 48.2
权利要求:
Claims請求の範囲 ( 1 ) セルロース原料をアルカ リ溶液、 過酸化水素、 キレート 剤、 アントラキノン類及び水からなる薬液を用いて 1 3 0〜 2 0 0 °Cで蒸解する工程と、 得られる蒸解物を固液分離し、 パル プ廃液と未晒パルプを得る工程と、 パルプ廃液は濃縮燃焼し、 アルカリ金属の炭酸塩とする工程と、 所望によリナトリ ウム又 は及び力リ ゥムの炭酸塩の水溶液に酸化カルシウムを加えて力 性化する工程と、 アルカ リ溶液に過酸化水素、 キレート剤、 ァ ントラキノン類を加えて蒸解薬液として再使用する工程とから なる化学パルプの製造方法。 ( 2 ) セルロース原料をアルカ リ 、 過酸化水素、 キレート剤、 アントラキノン類及ぴ水の 5成分からなる薬液を用いて 1 3 0 〜 2 0 0 °Cで蒸解する工程と、 得られる蒸解物質を過酸化水素 のアル力リ溶液で 2 0〜 1 1 0 °Cで蒸解し、 低力ッパー価で高 い白色度のパルプを得る請求の範囲 1の方法。 ( 3 ) 当該パルプ廃液からナトリ ゥム又は及び力リ ゥムの水 酸化物を回収する目的で、 当該廃液パルプ廃液に酸化鉄を加え て燃焼しアルカ リ の鉄酸塩とする工程と、 アルカ リ の鉄酸塩を 加水分解し酸化鉄とアル力リ溶液を回収する請求の範囲 1の方 法。 ( 4 ) 当該パルプ廃液の燃焼によリ得られるアル力リ液に酸 素を通じつつ電解し、 アルカリ性の過酸化水素の溶液を得る請 求の範囲 1〜 3のいずれかの方法。 ( 5 ) 当該パルプ廃液の燃焼によって得られるアル力リ液に 2価の鉄を加え、 さらに酸素を混合し、 生成する沈殿とともに アル力リ液中の重金属を沈殿させ、 溶液から分離除去する請求 の範囲 1、 3又は 4の方法。 ( 6 ) 当該パルプ廃液の燃焼によって得られるアル力リ溶液 の電解に先立ち硫化水素または可溶性の硫化物を加えてアル力 リ溶液中の重金属を不溶化し、 過剰な水溶性の硫化物は 2価の 鉄を加えて硫化鉄として生ずる沈殿は分離除去し、 さらに酸素 を混合し、 生成する沈殿は分離除去する請求の範囲 1, 3, 4 又は 5の方法。 ( 7 ) セルロース原料を所望によリ酸性液を抽出剤と して抽 出処理し、 さらにカリ ウムベースのアルカリ性溶液を抽出剤と して用いて抽出処理し、 該セルロース原料に含まれるケィ素分 を抽出剤に移動させる工程と、 該抽出工程で得られるケィ素を 含む抽出液をアル力リ土類金属含有物からなる添加剤を混合し、 焼成してカリウム、 アルカ リ土類金属及びシリ カを主成分とす るガラス様溶融物からなるく溶性カリ肥料を得る工程と、 該抽 出工程から得られるセルロース材料を力リ ゥムベースアル力リ 性蒸解液で蒸解してパルプを得る工程と、 該蒸解工程で得られ たパルプ廃液から力リ ゥムベースのアル力リ液を回収する工程 とからなる請求の範囲 1, 2, 3, 4, 5又は 6の方法。 ( 8 ) 該く溶性力リ肥料を得る工程で用いる添加剤がアル力 リ土類金属のリ ン酸塩を含有する請求の範囲 1, 2, 3, 4, 5, 6又は 7の方法。 ( 9 ) 該く溶性力リ肥料を得る工程で用いる添加剤がリン含 有物を含む請求の範囲 7の方法。 ( 1 0) アル力リ溶液で処理したセルロース原料を所望によリ 乾燥し、 パルプ原料として貯蔵する請求の範囲 1の方法。
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